リーテン小説・愛してMY HONEY
「テンテン!僕と結婚して下さい!」
今日も、木の葉の上忍ロック・リーは、鏡に向かってこの台詞を放った。
彼は1ヵ月ほど前から、恋人のテンテンに言う予定であるこの台詞を練習し続けてきた。
テンテンの誕生日、3月9日に言おうと決めているのだが、どうしても腑に落ちない。ど
こかカッコ悪い様に思える。それがどこなのかは分からない。そうしている間に2月も終
わりに近づき、リーは心底、今年がうるう年なら良いのにと思った。
(このままでは間に合いませんよ・・。テンテンの誕生日に、最高のプレゼントをあげよ
うと思ったのに。)
溜息を1つ付き、リーはまた鏡に向かった。

「あら、リーじゃない。どうぞ、上がって。」
3月9日。リーは早速テンテンの家へ赴いた。心臓が喉で脈を打っている様に思えた。今
にも落としそうな位、激しく脈打っていた。顔は火照り、とても19歳とは思えない位に
子供っぽく見えた。テンテンはそんなリーを見て不思議そうに首を傾げていた。いつも通
りの優しい顔で、見つめていた。だからリーは更に緊張した。どうせなら視線を外してく
れた方が、良い易いと思った。でもテンテンは外さない。リーは頭の中で何かが沸騰して
いると感じた。
「お茶飲む?中国茶が有るのよ。リラックス出来ると思うわ。別にリラックスなんて今は
必要ないと思うけど・・。」
「え、いや、頂きます・・。」
「あらそう?じゃあ沸かすわね、待ってて。」
テンテンが台所に行くと、リーは大きく深呼吸した。心臓を落ち着ける事が先決だ。でな
いと言っている途中に跳び出しかねない。何度も深呼吸して、やっと心臓が落ち着いた頃、
テンテンがお茶を持ってきた。リーはまだ手足の震えが納まらなかったので、少し待って
から手をつけた。お茶は凄く効いた。お陰で手足の震えが舌まで移らなくて済んだ。でも
不安をかき消すのには無力すぎた。心が跳び出しそうだ。実は、彼は未だにカッコ良くプ
ロポーズ出来るコツを分かっていなかった。間に合わなかったのだ。
上手く言えない。詰まったらカッコ悪い。幻滅されたらどうしよう。プロポーズもろくに
出来ない男と見られたら終わりだ。
「全く、今日はどうしたの?」
テンテンが少し笑いながら言った。リーは飛び上がってテンテンに視線を移した。目が合
った。その瞬間。リーは何故だか、不安が全て消えたのを感じた。自分らしく行け。いつ
も通りの自分を見ていてくれる人が居る。何かが叫んだ。
「テンテン、話があるんです。」
「話?何?」
テンテンは真剣な顔になった。リーは静かに言った。
「これを受け取って下さい。」
「・・?指輪?」
紺色の箱に入った物は、テンテンにピッタリの指輪だった。アクアマリンの眩しい青が、
金色の輪の上で空か海を思わせた。
「綺麗・・。はめて良い?」
「良いですよ、もちろん。」
テンテンは顔を輝かせ、直ぐ指にはめ、光にかざした。
「ピッタリ。有難う、リー。素敵だわ。勿体無いくらいで・・。」
「テンテン。」
「ん?」
「僕と結婚して下さい。」
「!!嘘・・。」
第一声がこれでは、心臓も心も震えも何かが切れたように暴れだし、現れた。地震が起こ
った様に思えた。
「リー・・それってプロポーズよね・・。」
「そうです・・けど・・。」
「う・・う・・。」
「て・・テンテン・・?」
「う・・う・・し・・ふ・・。」
テンテンの顔が物凄く微妙だった。リーは覚悟した。きっと、「嘘、信じられない。恋人以
上夫婦未満って奴ね。」と返される。
「う・・う・・嬉しい!信じられない!夫婦になれるなんて!もちろん、もちろんよ、リ
ー!私貴方の妻になるわ!!」
結局、リーの予想は1つしか当たっていなかった。

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管理人コメント
美可流様から、またこんな素晴らしいリーテン小説を頂いてしまいました!!
テンテンにプロポーズしようとして、緊張してなかなか言い出せないリー、可愛すぎですvv
そして、テンテンの感激っぷりも、凄く幸せそうでいいですねvv
本当に、ラブラブで、幸せで、素敵な小説をご投稿有り難うございました!!
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